鹿児島

2022年08月27日

咲良がさくとき〜大人の恋の物語2016〜

新型コロナ第7波の感染拡大が止まらない2022年8月。

夏休みだけど、北海道にも帰られず、旅行にも行けず。

少しだけ、家族そろって桃鉄でプチ旅行気分。

行きたいところはという話題になり、考えてみた。

四国4県も南九州3県も行ったことがあるし、うーん。

・福岡県
・長崎県
・鳥取県

あたりか。

いずれも、一度も行ったことのないところ。

そういえば、鹿児島に行ったなぁと思い出した。



大人の恋の物語(2016年作)



【第1話 鹿児島】 

仕事で鹿児島に行くことになった。
人生初の、九州上陸。
新幹線「さくら」に乗っての長旅。

59e52fe0.jpg



岡山から鹿児島まで。
新幹線で時間を持て余した俺は、咲良にLINEを送る。

俺「今、新幹線さくらに乗って、鹿児島に向かってるよ。人生初の九州。」
咲良「えっ、私も新幹線で大阪から鹿児島に向かってるところ。今、博多を過ぎたあたり。」
俺「ホント、同じ新幹線じゃん。ミラクル!」

偶然にも咲良と鹿児島で再会なんて、運命を感じる。
夕方遅くに鹿児島に到着して、咲良と合流。

俺「何食べたい?」
咲良「行きたいところがあるんだけど、一人じゃ怖くてどうしようかと思ってたの。いい?」

二人が向かったのは「かごっま屋台村」。

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鹿児島の旬の食材と郷土料理を味わえる小さな屋台が並ぶ。
俺と咲良はカウンターに並び座る。

俺「何飲む?」
咲良「貴方と同じのがいい。」
俺「鹿児島に来たんだから、俺は芋焼酎飲まないとね。寒いからお湯割りで。一緒で大丈夫?」
咲良「ちょっと酔いそうだけど、せっかくだから私もいただく。貴方がいるから酔っても大丈夫だもんね。」

芋焼酎で乾杯。
きびなご、黒豚なんこつ煮、さつま揚げを堪能。
咲良の顔が紅く染まる。

咲良「いつもFacebookで見てるけど、あたたかい家庭を築いて幸せそうね。」
俺「まあね、幸せだよ。咲良は?」
咲良「ほんとはもっと幸せになるはずだったんだけどね・・・」
俺「でも、今でも咲良は輝いてる。いい女だよ。」
咲良「私も、貴方と結婚すれば私も幸せになれたのかな。」
俺「そうかもしれないけどさ。俺よりも、元旦那が良くて選んだんだろ(笑)。」
咲良「そうだけどさ・・・あの頃に戻りたいって思う時もあるよ。」

芋焼酎が身体に染み入り、夜も更けていく。

俺「ちょっと歩こうか?」

夜風に当たりながら、甲突川沿いを歩く2人。
自然と手をつないで、寄り添い合う。

俺「歴史、時間の流れを感じさせる町並みだね。昼間に歩けば楽しめそう。」
咲良「でも、貴方はもう結婚してしまったから、昼間に堂々と手をつないで歩くことなんて出来ない。時間の流れを感じてしまうわ。」
俺「いろんな経験があったから、今咲良は輝いてるんだよ。これから素敵な人との出会い、そして幸せが待ってるはず。」
咲良「そうだといいな。でも、今日だけは未来じゃなくて、幸せだった過去にすがりたい・・・」
俺「咲良らしくもないな。ちょっと飲み過ぎたか?」

鹿児島も、まだ3月は夜風が冷たい。

俺「せっかく芋焼酎で暖まったのに、身体が冷えちゃったね。コーヒーでも飲んで帰ろうか?それとも鹿児島ラーメンでも食うか?」
咲良「身体よりも、心の方が冷えちゃった。今日だけはあの頃に戻りたい。独りにしないで。貴方の優しさで、私のさくらを咲かせて欲しいの。」

止まったはずの時計の針が、15年ぶりに動き出した。



【第2話 岡山】 

翌朝、目覚めると隣には咲良の寝顔。
あの頃に比べるとお互い歳を取ったなと感じる。
微笑ましい。

スマホを見ると妻からのLINE。

「おはよう。鹿児島はどう?出張頑張ってね。子供達もお土産楽しみにしてるよ〜」

現実が待ち受ける。
咲良の寝顔をもう一度見る。
可愛い寝顔。
咲良は天使なのか、それとも悪魔なのか。

咲良「おはよう。起きてたの?早いね。」
俺「さっき起きたところだよ。」
咲良「もうわがまま言わないから。ゴメンね。でも、ありがとう。」

俺は何も言わずに彼女を抱きしめ、口づけを交わす。
動き出した時計の針は、もう止まらない。
帰りの新幹線の約束をして、俺は彼女のホテルを出た。
自分のホテルに戻り、シャワーを浴びて着替える。
妻にLINE。

「鹿児島の夜は芋焼酎が美味しかったよ。今日、帰るけど遅くなるから先に寝ててね。お土産、任せとけ。」

鹿児島での仕事を終え、鹿児島中央駅に15時に待ち合わせ。
2人、咲良と新幹線に乗る。

咲良「昔は、2人で旅行したこと思い出すね。懐かしいな。」
俺「そうだね。でも、過去にすがらないで、未来に向かっていけよ。」
咲良「わかってるよ。でも…貴方よりも幸せにしてくれる人に出会うのって、難しいんだよ。」
俺「新幹線さくらって、良い響きだな…。」

鹿児島から岡山まで、3時間ちょっと。
いろいろな話で、あっという間に時間が過ぎ去る。
名残惜しい。

俺「俺は、岡山で乗り換えだから…元気でな!」
咲良「いや、私も一緒に降りる!」

咲良も新幹線を降りた。
途中下車して、岡山駅前でご飯を食べてから帰ることに。

俺「長旅で疲れてるだろ?1杯だけだぞ。」
咲良「大丈夫。もう次はいつ会えるかわからないんだから。ほんとは今日は帰さない!って言いたいところだけど、我慢するからさ。もう少しだけ、一緒にいて。」

瀬戸内海のママカリとタコを味わいながら、最後の時間を過ごす。

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俺「そろそろ終電だよ。さて、帰るぞ。」
咲良「…うん。」

岡山駅の改札を入る。

俺「じゃあ、またな。」
咲良「待って…おやすみのチューしてくれないと、帰らない。」
俺「…人前だぞ。恥ずかしいだろ。」
咲良「…してくれないと、帰らないから。」

天使でもあり、悪魔でもある。
柱の陰に隠れて、軽く口づけを交わす。

咲良「…そんなんじゃ、全然足りないよ。」
俺「もう…わがまま女。」

熱く、長い口づけを交わす。

咲良「…ありがとう。私、頑張って幸せになるから。」
俺「ああ、幸せになれよ。」

咲良の目から、一筋の涙がこぼれる。
いつか本当の幸せを手にして、咲良がさきますように。
そう祈って、もう一度最後の口づけを交わした。
口の中に広がる、咲良とのたくさんの思い出と記憶。
そして切なさ。
頬を伝って流れてきた涙が、少ししょっぱく感じた。

咲良がさきますように。



【第2−2話 徳島】 

咲良と別れ、岡山から瀬戸大橋を渡って徳島に帰る。
鹿児島のお土産は「かるかん」
家族に対する罪の意識から岡山でも「きびだんご」を買ってきた。
子供たちが喜ぶだろう。

咲良からのLINE。

「幸せな思い出をありがとう。もう、貴方には甘えないから。前を向いて歩いていきます。貴方も幸せに。」

返事は返さない。
咲良に会えたのは偶然であり、まさに奇跡。
咲良に会えて良かったのか?
それとも会えない方が良かったのか?
咲良が悪いんじゃない。
むしろ、悪いのは、俺だ。
結果として、彼女の弱さにつけこんだだけ。
彼女を幸せにすることなんて出来やしないのに。
運命のいたずらにしては、幸せも罪の意識も大きすぎる。

徳島に近づくにつれて、膨らんでいく罪悪感。
もう二度と咲良には会わない。
そして、二度と連絡も取らない。
愛しているのは妻だけだし、幸せにしてやれるのも妻だけだ。
そう覚悟を決めて、徳島駅に降り立った。

もう日付が変わろうとしている深夜。
家の鍵を開ける。
リビングに明かりがついている。
妻が起きている。

妻「出張お疲れさま。大変だったね。」
俺「ただいま。これ、お土産。」

コートを脱いで、着替える。

俺「なんかあった?子供たちは変わりなし?」
妻「大丈夫、いつも通りだよ。お風呂は入る?」
俺「うん、入るよ。」

風呂から上がり、妻をハグする。

俺「愛してるよ。」
妻「どうしたの?なんか悪いことでもしてきたの?」
俺「するわけないだろ。」
妻「たった一度の過ちだって、私は絶対に許さないんだから。」
俺「わかってる。俺を信じろ。」
妻「もう二度と会わないって覚悟決めたって、それで終わりに出来るなんて大間違い。」
俺「ああ、わかってるよ。」
妻「悪いことしたら、子供達に二度と会えなくなるんだから、忘れないでね。」

俺はこれから一生、重い十字架を背負っていかなければならないんだな…



【第2−3話 大阪】 

鹿児島出張。
岡山に立ち寄ったので、大阪のマンションに帰ったのは夜中。
興奮冷めやらず、なかなか寝付けなかった。
彼の優しさにすがっちゃった。
彼には大切な家庭があるんだから、甘えちゃダメって何度も自問したのに。
でも、誘惑に負けちゃった。
自分の弱さが身に染みる。

会社ではもう三十代後半で中堅になった。
旦那と別れてからは、女だからって気持ちで負けたくないので、いつも強がってきた。
キャリアウーマンとは聞こえはいいけど、華やかなようであって必死でもがきながら頑張ってる。
そんなバリバリ働く自分に酔いしれるときもあるけど、自分で選んだ道とは言え、やっぱり寂しい。
だから、私とちゃんと向き合ってくれる彼に甘えちゃうのかな。
反省。

でも、やっぱり思うの。
幸せって何なのかなって。
結婚や恋が女の全てじゃないってわかってるんだけど。
でも、心にポッカリ空いたままの穴は、誰かに、何かに埋めて欲しいのよ。
いつかいい人が見つかるよってみんなが軽いノリで言うけど。
私にとっては結構深刻なんだよ。
満たされない中でも、仕事は頑張り続けなければならないの。
充実しているような、でもやっぱり満たされないような、そんな毎日。

わかってる。
未来に向かって前向きに生きていかなければならないの。
でも、過去にすがってしまう。
彼と一緒にいるときは、やっぱり本音で甘えられるし幸せ。
早く彼のことは忘れないといけないのよね。

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過去の思い出だけではなくて、私は今でもきれいな花は咲いている。
まだまだ女盛りだもん。

公園の桜も、もうすぐ満開。
でも、今日は雨上がり。
雨上がりの桜は、雨の重みで花は下を向いている。
まるで私みたい。
この桜も、晴れてお日様が出てくれば、水滴も渇いて、上に向かって大きく花開く。
たぶん、昼過ぎにはきれいな桜が見頃になるはず。
私も、上に向かって、未来に向かって、堂々と大きく良い花を咲かせたい。
それがいつになるのかはわからないんだけど…

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いつか堂々と花を咲かせられるように、今を頑張るしかないよね。
未来をつくるのは、過去じゃなくて、今なんだから。
彼よりも、絶対に幸せになるって決めたんだから。

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(参考:シリーズもの)

<第1話はこちら>
 咲良がさくとき(鹿児島編)

<第2話はこちら>
 咲良がさくとき(岡山編)

<第3話はこちら>
 春が来るのはまだ遙か・・・(池袋編)

<第4話はこちら>
 春が来るのはまだ遙か・・・(浅草編)

<第5話はこちら>
 タブーの花が咲いてしまった(第5話)

<第6話はこちら>
 タブーの花が咲いてしまった(第6話)

<第7話はこちら>
 タブーの花が咲いてしまった(第7話)

<第8話はこちら>
 タブーの花が咲いてしまった(第8話)

<第9話はこちら>
 阿波で心も浮いてきた(第9話)

<第10話はこちら>
 阿波で心も浮いてきた(第10話)

<第11話はこちら>
 ワインの花がまだ開かなくても(第11話)

<第12話はこちら>
 ワインの花がまだ開かなくても(第12話)

<第13話はこちら>
 幸せは涙の中に咲いていく花(第13話)

<第14話はこちら>
 幸せは涙の中に咲いていく花(第14話)

<第15話はこちら>
 黒潮の雰囲気に流されて(第15話)



kou_blue97 at 23:27|PermalinkComments(0)

2008年06月29日

また一つの幸せがそこに

a3bea5b1.jpg披露宴


e695077c.jpgタワー


333b8c56.jpg料理


こんにちはかけだし金融マン(mixi)です。



また一つ

新しい家庭と

新しい幸せが生まれました。





青森出身の新郎と

鹿児島出身の新婦。



彼らの色で輝く

幸せな家庭を築いてくれるはず。



お幸せに。



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kou_blue97 at 08:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
Profileです。

kou_blue97

【自己紹介】
・札幌生まれ札幌育ち
・現在は群馬在住
(←東京←徳島←千葉…)
・転勤族のサラリーマン
・ミスチル世代の団塊ジュニア

【好きなモノ】
・アメフト観戦
・ミスチル鑑賞
・子供とおでかけ
・転勤で知らない土地を満喫
・現実と妄想の狭間で微笑ましく生きる
・小さな幸せのかけらを積み重ねる

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