2008年12月16日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語。



『Xmasの贈り物』



第十三話



2人は支払いを済ませてエレベーターに乗る。

他には誰もいない。

ケンジはケイコの手にそっと触れる。

そして優しく握りしめる。



楽しく会話が弾んだカウンターとは対照的に

エレベーター内は沈黙と緊張感に包まれる。





エレベーターを降りた後も、2人の手は離れない。



『タクシーで送っていきましょうか?』

ケンジが沈黙を破る。


『まだ10時過ぎたばかりなので、電車で大丈夫ですよ。』



お互いの手から伝わる温かさい人柄を感じながら、

2人は駅へと歩いてゆく。



『この時間がずっと続けばいいのに』

無意識にケンジが言葉を発する。

ケイコは何も言わない。

心の中で頷くだけ。

ただそれだけで充分に伝わる。




駅のホームにたどり着く。

『また、ケイコさんと2人で逢いたい。』

今までと異なる口調。

『私も、また逢いたいな。』

今はもう止まらない。

無情にもケイコの乗る電車が到着する。

『今日はありがとう。また連絡するね。』

ケンジはケイコの髪に触れ、耳元でささやいた。




こうして、2人はまた日常という世界へ舞い戻っていくのだった。



ケイコはいつもと変わらない様子で

家族と子供たちが待つ家へと帰り

いつものとおり眠りにつく。

何も変わらない日常。





ただいつもと違うのは

ケイコの心の中のロウソクに

ケイコの胸の中のChristmasキャンドルに

優しく温かい火が灯ったことだった。





決して許されるものでもなく

認められるものでもない

1つの純粋の恋。



【前編・完】


kou_blue97 at 08:41│Comments(2)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 

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この記事へのコメント

1. Posted by こぶたナース   2008年12月17日 07:17
前編が終わったのですねぇ…
こんな恋もあるのだと、思い出しました(笑)
2. Posted by かけだし金融マン(kou.blue97)   2008年12月17日 23:57
こぶたナースさん

現実にはこういう恋もあるんですかねー

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kou_blue97

〇札幌生まれ札幌育ち。現在は東京在住(←徳島←千葉…)。転勤族のサラリーマン。ミスチル世代の団塊ジュニア。
〇好きなモノ
 アメフト観戦、ミスチル鑑賞、blog執筆、子供とおでかけ、宮脇咲良を応援、転勤で知らない土地を満喫、現実と妄想の狭間で微笑ましく生きる、小さな幸せのかけらを積み重ねる。

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