2008年12月

2008年12月23日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語【後編】。




『Xmasの贈り物』



第二十話



2軒目はこの前と同じ店。

雰囲気のいいカップルシートのカウンター。



ケンジはジンライム。

ケイコはグランベリーのカクテル。



『僕、ケイコさんをもっと愛したい。』

さっきまでとケンジの雰囲気が変わる。



『僕もそうだし、ケイコさんもそうだけど、お互い大切な生活があって、家族があって、自分がいる。

それだけで幸せだった。

他には何も望んでいなかった。

ケイコさんに逢うまでは。

でもケイコさんに出会い、話をしているうちに、軽く触れ合ううちに、ケイコさんと恋をしたい、その想いが出てきて

良くないことだってわかってても

その気持ちは消えなかった。

信じて欲しい。』



ケンジが気持ちを伝える。



『ケンジくんにあってから、毎日が楽しかったし、メールが来る度嬉しかった。

そんな気持ちは何年ぶりだろう。

でも家に帰って子供たちに会えば、罪悪感に悩まされていた。

ケンジくんのことが好きだけど

本当に嬉しいけど

やっぱりお互い良くないよ。

ツラい思いをするだけ。

だから今ならまだ間に合うよ。

ちゃんと奥さんとお子さんだけを愛してあげなきゃ。』



ケイコが初めて気持ちを伝える。



『家族はもちろん愛してるし、子供は何よりも大切なもの。

ケイコさんとの恋ならお互いを高めあうことも、お互い幸せになることも出来るんじゃないかな。

この本当の気持ちを信じたい。』

ケンジは引かない。


『まだ出会ったばかりだし、最初だけ盛り上がってるだけかもしれないよね。

恋してる自分に恋したいとか。

ちょっと冷静に考えた方がいいよ。

私みたいな年上なんか好きになるなんてさ。』

私と恋を始めても

きっとケンジにも自分にも

幸せなどやってこないことを

ケイコはちゃんとわかっている。



突き進みたいケンジと

冷静に見つめ始めたケイコのやりとりは

切り口を変え

理屈を変えて

長い間カウンターに響き渡るのだった。


kou_blue97 at 04:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 

2008年12月22日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語【後編】。




『Xmasの贈り物』



第十九話



待ち合わせ場所はこの前と同じChristmas treeの前。

いつもの笑顔でケンジが待っている。



『今日はありがとうございます。

美味しいコラーゲン鍋鍋のお店があるんで行きましょう。』
ケンジがケイコを促す。



とりあえずビールで乾杯。



ケンジはこの前の告白のことなどなかったかのように

お互いの考え方や生き方をもっとよく知るために

普段の話
仕事の話
小さい頃の話
最近のマイブームの話で会話を盛り上げる。



『コラーゲン鍋はお肌にいいですからね。

ケイコさんの美貌がいつまでも続けばお子さん達も大喜びですよ。

美貌に一番効くのは恋なんですけどね。』

ちょっとしたケンジの言葉がケイコを暖かく包み込む。



美味しい料理とお酒と

ケンジの笑顔と言葉と優しさ。



心も体も満たされる幸せな時間。



このままケンジを受け入れて

ケンジを信じてついて行って

幸せは待っているのかどうか

幸せがいつまでも続くのかどうか

答えが出ないで時間が流れる。



『お腹もいっぱいで幸せですね。

僕は最初からずっとドキドキでしたが。

次のお店でゆっくりお話しましょうね。』



いよいよ2人の恋が動き始める。


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2008年12月21日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語【後編】。




『Xmasの贈り物』



第十八話



家に帰り、夕食の支度をするケイコ。

夕食は最近マイブームの豆乳キムチ鍋。


『お母さん最近疲れてるみたい。

大丈夫?』

娘が心配そうに聞く。



『そうかしら。寒くなってきたし、年末でバタバタしてるからかなー。

しっかりご飯食べて頑張らないとね。』

ケイコは笑顔で子供たちに返す。



何か困ったことや悩み事がある時には、

いつも母親や子供たちに相談してきたケイコ。



でも今回ばかりは誰にも相談なんて出来ない。



だからと言って家族には心配なんかかけてはいられない。




家族みんながお風呂に入った後

ケイコはゆっくり湯船につかり

ケンジのことを思い出す。



『私のことを真剣に想ってくれる人なんて、ケンジくん以外にはもう誰もいないんだろうな。

私の人生の中で、もうたぶん。

そう考えると、なんか寂しさが溢れてくる。』



ケイコは心の中でそう感じた。



恋なんかとうの昔に忘れていて

そんなものなくても楽しくて幸せな日々が長く続いていた

だけど一度恋を思い出しただけで

こんなにも幸せで満たされたり

悲しく切ない想いをするなんて

想像さえもしていない。





旦那とはしばらく話すらしていない中で

金曜日が近づいてくる。

Christmasの2日前の金曜日の夜が待っている。


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2008年12月20日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語【後編】。




『Xmasの贈り物』



第十七話



ケイコは驚きで凍りついた。

こんなに賑やかな場所で

こんなに大勢の人がいる中で

『ケイコさんが欲しい』なんて言われるなんて。



ケンジの大胆さに驚くとともに、

ケンジの真剣さが心に響く。



『急にそんな話しても驚きますよね。

お互いの家庭を大切に尊重した上で、本気の恋をしたい。

真実の愛を見つけたい。

そう想ってました。

都合が良すぎて自分勝手な恋と思われるかもしれませんが、

そうじゃないこともも

僕がそんな男じゃないことも

ちゃんとわかってくれると信じてます。』



ケンジが想いを全てぶつける。



『今週の金曜日に飲みに行きましょう。

もし僕の勘違いだったり、僕の一方的な盛り上がりだったとしたら、金曜日に教えてください。お願いします。』



『そんな風に想ってくれていたことも、

今日こんなことを言われることも、

想像もしてなかったし驚いてる。

ちゃんと頭の中を整理したい。』





周りはカップルだらけのクリスマス前のカフェの中。


ケンジとケイコの間だけ、周りとは違う空気が流れている。

アダムとイブのいたずらの1つ。


kou_blue97 at 23:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 

2008年12月19日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語。

【後編】です。




『Xmasの贈り物』



第十六話





賑やかなカフェで

エスプレッソとキャラメルマキアートで乾杯

ケイコとケンジの久しぶりの再会。



『もうすぐChristmasですね。

ケイコさんはお子さんにプレゼント買ったんですか?』

ケンジの甘い顔にキャラメルの香りはよく似合う。



『前々からリクエストがあったんで、もう準備はしてるんだ。

高橋さんは娘さんに何贈るの?』



『ケンジって呼んでくださいよ。

つれないなー。』

ケンジが微笑む。

『ヒスミニの可愛い服を買いましたよ。

ケイコさんは欲しいものないんですか?

頑張ってる自分にご褒美とか。』



『欲しいものねー。特にないかなー。

ケンジくんは?』

ケイコが聞き返す。



『僕は欲しいものがあって、サンタさんにお願いしているところ。』

ケンジの目が輝く。

『欲しいものって何ー?』

ケイコが普通に聞き返す。



『僕はケイコさんが欲しい。』

ケイコの目をしっかり見つめて、ケンジが伝える。



カップを持つケイコの手が止まる。



『お酒の入ってない時に言おうと思ってた。

あの日以来、ずっとケイコさんのこと考えてる。』



2人の顔が紅に染まる。





決して許されない罪深い恋だと

最初からわかっていたとしたって

もう一回 ケイコに伝えたい。



ケンジの気持ちがケイコに届く。


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2008年12月18日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語。

【後編】です。




『Xmasの贈り物』



第十五話





朝会社を出て、ケンジのメールに喜び

家に帰り、子供たちと食卓を囲み罪悪感に悩むケイコ。

その繰り返しの日々が続く。



正しいか正しくないかの答えは出ない。

おそらく正しくないということはわかっている。



ただ、変わらない日常の中で、

ケンジと出会ってから、家族に対して、周りに対して、優しくなった自分がいた。



会社の後輩からも、

『雰囲気変わりましたね』

なんて声をかけられるようになった。



『お化粧のノリもいいのかもしれない。なー』

なんて考えながら会社を出たところで

ケイコの携帯が鳴る。



『お疲れ様です。高橋です。

もう会社出られました?』

ケンジからの電話だ。



『お疲れ様です。ちょうど会社を出たところですよ。』

ケイコが平静を装いながら応える。



『ちょうど近くまで来てるんで、30分だけコーヒーに付き合ってもらえませんか?』



またケンジに逢うことに少なからず危険を感じながらも

ケンジにもう一度逢いたい気持ちを抑えられず

ケイコは待ち合わせの駅前の広場の

大きなChristmas treeに向かって歩き始めた。


kou_blue97 at 22:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 

2008年12月17日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語。

【後編】が始まります。




『Xmasの贈り物』



第十四話



翌朝、ケイコは普段通りに早起きして、朝ご飯をつくり、子供たちを起こすために子供部屋に入る。



昨夜のときめきと心地よい気持ちが強く残っていて、久しぶりに幸せで満たされている感覚がある反面、

強い罪悪感が心の中で芽生え始める。



その罪悪感は、子供たちの安らかな寝顔を見たときに決定的なものとなって、ケイコの心を揺るがし始める。





ケンジと過ごした時間

ケンジからかけられる優しい言葉

ケンジに握りられる手の温もり

自分に女性として魅力を感じてくれた全てのことに対する

女性としての1つの幸せと



自分が守るべき家族

命より大切な子供たちの愛

親として、妻として、人間としての使命と幸せ。



ケイコは複雑な心境で、通勤電車に乗り込む。


ケイコの携帯にメールが届く。


『昨日は楽しい時間をありがとうございました。
ケイコさんの魅力にドンドン惹かれていく自分がいました。
また2人で飲みにいきましょうね。

ケンジ』



ケイコは

特に飾り気もないただの1通のメールが
こんなにも嬉しいということを知った。


kou_blue97 at 08:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 

2008年12月16日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語。



『Xmasの贈り物』



第十三話



2人は支払いを済ませてエレベーターに乗る。

他には誰もいない。

ケンジはケイコの手にそっと触れる。

そして優しく握りしめる。



楽しく会話が弾んだカウンターとは対照的に

エレベーター内は沈黙と緊張感に包まれる。





エレベーターを降りた後も、2人の手は離れない。



『タクシーで送っていきましょうか?』

ケンジが沈黙を破る。


『まだ10時過ぎたばかりなので、電車で大丈夫ですよ。』



お互いの手から伝わる温かさい人柄を感じながら、

2人は駅へと歩いてゆく。



『この時間がずっと続けばいいのに』

無意識にケンジが言葉を発する。

ケイコは何も言わない。

心の中で頷くだけ。

ただそれだけで充分に伝わる。




駅のホームにたどり着く。

『また、ケイコさんと2人で逢いたい。』

今までと異なる口調。

『私も、また逢いたいな。』

今はもう止まらない。

無情にもケイコの乗る電車が到着する。

『今日はありがとう。また連絡するね。』

ケンジはケイコの髪に触れ、耳元でささやいた。




こうして、2人はまた日常という世界へ舞い戻っていくのだった。



ケイコはいつもと変わらない様子で

家族と子供たちが待つ家へと帰り

いつものとおり眠りにつく。

何も変わらない日常。





ただいつもと違うのは

ケイコの心の中のロウソクに

ケイコの胸の中のChristmasキャンドルに

優しく温かい火が灯ったことだった。





決して許されるものでもなく

認められるものでもない

1つの純粋の恋。



【前編・完】


kou_blue97 at 08:41|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 

2008年12月15日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語。



『Xmasの贈り物』



第十ニ話



2人は駅からちょっと歩いたところにある雰囲気のいい居酒屋に入った。

カウンターに通されたが、二人掛けの可愛いシートに腰をおろす。



『ここ雰囲気良くないですか?』

『なんか凄くお洒落な感じですね。こんなお店なんて若い頃にしか来たことないです。私なんか似合わないかもしれないですよね。』

店にとっても、何よりケンジの飲む相手としても、自信のないケイコが控えめに話す。



『全然そんなことないですよ。今日お逢いした時から、本当に素敵で魅力的な女性だって、ずっと感じていますから。』

ケンジの言葉には半信半疑なケイコだが、忘れかけていた感情が蘇りつつある。



どれくらい時間が経っただろう。

柔らかくて、居心地が良くて、いつまでも続いて欲しい特別な時間が流れた。



日常が迎えに来ることを
現実が迎えに来ることをわかっているけれど
ちょっとでもこの時間が続いて欲しいと
お互いそう強く願っていた。



『名残惜しいけど、今日はそろそろ帰りましょうか。』

ケンジがカウンターを立ち上がり、会計を済ませる。



ケイコがお金を払おうとするが、ケンジは受け入れない。

『じゃあ今度デートするときには、ちょっとだけご馳走になりますね。』

完全にケンジのペースで物事が進む。



ケンジの優しさと男らしさ

そしてデートという言葉に

ケイコの心は揺さぶられていくばかり。


kou_blue97 at 08:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 

2008年12月14日

Xmasの贈り物

かけだし金融マン(mixi)がお届けする連載シリーズ物語。



『Xmasの贈り物』



第十一話



ホームで電車を待つケイコ。

ちょっと遅れてケンジが同じホームにたどり着く。



エスカレーターを登ったケンジは、電車を待つケイコの姿を見つけ、

ケイコに引きつけられるように、一歩ずつ近づいていく。



『また逢えましたね。』

ケンジがケイコの隣に並び、話しかけた。



『高橋さん。。。』

急に声をかけられたからなのかわからないが、
とてもドキドキしている自分にケイコは驚く。



『なんか素敵な女性が立っているなって思ってたら、木村さんだったんで、つい声をかけちゃいました。

迷惑でしたよね。』

『そんなことないですよ。でも高橋さんって本当にお世辞が上手いですね。』



今日飲み会の話や、お互いの住んでる所や生活の話で会話も楽しく弾む。



『次の駅前にいい雰囲気のお店があるんですよ。これからちょっとどうですか?』

『って本当はお誘いしたいところですが、ケイコさんのお子さんも帰りを待っていますよね。

今度2人で飲みに行くときにご案内しましょう。』



ケンジがケイコを誘う。

断りやすくて相手をいたわり、また相手の気持ちを探ることが出来る誘い方。



一瞬の葛藤の後

ケイコはケンジの誘いに応じた。

『じゃあ少しだけ寄りましょうか。

あまり遅くならないように。』



そう言って

肩を寄せ合って

2人は途中駅で降りて夜の闇に消えていった。


kou_blue97 at 15:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 后箆∈椒轡蝓璽困發痢 
Profileです。

kou_blue97

〇札幌生まれ札幌育ち。現在は東京在住(←徳島←千葉…)。転勤族のサラリーマン。ミスチル世代の団塊ジュニア。
〇好きなモノ
 アメフト観戦、ミスチル鑑賞、blog執筆、子供とおでかけ、宮脇咲良を応援、転勤で知らない土地を満喫、現実と妄想の狭間で微笑ましく生きる、小さな幸せのかけらを積み重ねる。

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